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ARTICLE::Soft Architecture, Jin Hidaka
寄稿::インタビュー ソフト・アーキテクチュア、日高仁

飯名尚人氏の主宰するDance and Media Japanのwebsiteに日高仁のインタビュー記事「ソフト・アーキテクチュア」が掲載されています。

1993年から初めているReponsive Environmentの活動、磯崎新との恊働などを経て、現在取り組み始めているurban dynamics laboratoryで考えていることなどを語っています。

ぜひご覧ください。

ソフト・アーキテクチュアという言葉は、建築家の磯崎新氏が70年代最初に「建築文化」(1970年1月号「ソフト・アーキテクチュア/応答場としての環境」)という雑誌で発表したものです。(中略)冒険的な論文だったと思いますが、今読んでもそれほど時代の変化を読み間違っていなかったし、けっして古く感じない。こんな内容です。(余談になりますが、僕が大学院のときにつくったアートユニットResponsive Environmentという言葉も、実はこの文中に出てきます。実は、ユニット名をつけたとき僕はこの論文の存在を知りませんでしたので、あとから偶然にも発見して驚いたという経緯もあります。)

僕は、空間デザインを、スケールに関係なく展開できるのではないかと考えていますが、そのために重要になってくるのがインスタレーション、コラボレーション、パフォーマンスという三つの手法です。これはREを結成した当初、自分たちがこれから行う活動の特徴を示す言葉として挙げていたものでが、最近、改めて、これらをそのまま、これからの建築・都市デザインの可能性を表す言葉として使えるのではないかという気がしています。

REを始めた90年代は、実はパソコンが僕たちの手に届くようになった時期でもありました。最初は、建築家、音楽家、ダンスの振付家などを志す学生が集まって始めた活動でしたが、コンピューターのソフトウェアが活動分野の異なる僕たちの共通言語として機能していました。実際その可能性に気付いたのは遠藤拓己という当時のメンバーが音楽家なのに非常に素晴らしいCGパースを、見よう見まねで覚えたという3Dモデリングソフトを使ってつくって持って来たときでした。それ以来、REでは共通のルールとして、専門分野に関わらず各自がトータルな提案を行うようになりました。そのころは、まだコラボレーションという言葉は比較的目新しかったのですが、何となくこういうことかと実感しながら僕たちは使い始めました。

コラボレーションの結果を何らかの形で収束させ、新しいデザインに結びつけることで、例えば都市のような大きな対象をデザインすることは、大変難しいことだといえます。デザインのクリエイティヴな部分を、多数決で見つけていくのは非常に難しいからです。この問いに科学的に取り組み続け、洗練されてきた開発手法を、プロダクト・デザインの分野に見ることができます。それをひとことで言えば、「トライ&エラーとフィードバック」のシステムです。

この洗練された開発手法に見られるような健全な努力を、都市計画はある意味で避けてきた、やってこなかったんじゃないか、と思います。公共が巨大な投資をするわけだから建前として失敗は許されない。国民の了承を得て進めないといけないから、多数決になるし、エラーなんて言葉を政治家は間違っても口にできない。実際は、エラーばっかりなんですけどもね。

サステイナブルな社会ということが言われるようになりましたが、これは、例えばひとりの人間のライフタイムを超えたスケールの時間や空間デザインのことだと思います。自分の一生を超えたタイムスケールのパフォーマンスという発想は、魅力的なものだと思いますが、そこには大きな構想と絶え間ないエネルギーやアイディアの投下、フィードバックによる修正が必要だと思います。