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DUSP2008-2009:: Research Plan
動的都市空間2008-2009:: 研究計画書

urban dynamics laboratoryの日高仁と山代悟は、東京大学グローバルCOEプログラム「都市空間の持続再生学の展開」の「若手奨励研究」支援をうけて、「動的都市空間計画の実践事例に関する研究」に関わる調査旅行などを実施しています。下記は、その研究計画書です。


東京大学グローバルCOEプログラム「都市空間の持続再生学の展開」若手奨励研究
「動的都市空間計画の実践事例に関する研究」
GCOE (Global Center of Excellence) Youth Research Encouragement Program, the University of Tokyo
“Study on Practice of Dynamic Urban Spatial Planning” Research Plan

山代悟 Satoru Yamashiro
東京大学大学院工学系研究科建築学専攻 助教(研究代表)
Assistant Professor, Department of Architecture, Faculty of Engneering, the University of Tokyo

日高仁 Jin Hidaka
Assistant Professor, Graduate School of Frontier Sciences, the University of Tokyo
東京大学大学院新領域創成科学研究科社会文化環境学専攻 特任助教(共同研究)

安藤洋平 Yohei Ando
ビルディングランドスケープ(協力)
building landscape

What is GCOE Youth Research Encouragement?::

This research is sponsored by the Global Center of Excellence Program for sustainable Urban Regeneration (referred to as GCOE from here). GCOE is an endeavor to sponsor outstanding research centers, formed according to a government policy for the reformation of the organization of Japanese universities. In the Department of Architecture at the University of Tokyo the School of Urban Engineering and Civil Engineering applied for the GCOE funds with a proposal for a ‘Research Center for Sustainable Urban Regeneration’, and were accepted.

Outline of this research::

An analysis of independent art communities and art festivals will be undertaken from the perspective of urban planning.

Specifically, art communities, and in particular art festivals, in numerous places around the world will be analyzed according to their organizational content and history, and administrative methods, in order to make fundamental research into the techniques for intervention into existing urban spaces.

Inside each examples, the use of minimal funds to plan conversions of existing buildings, the retainment of the original urban spaces or social places, the collection of sponsorship from various social organizations, the actual realization of the project and the implementation of self-administration are some of the main characteristics of such art communities. We believe these examples will form a case study that approaches the key issue of urban planning of the future: ‘How do we use the city, rather than build it?’

This research asserts that urban sustainability should not only be evaluated according to the environment or energy concerns, but also include cultural concerns.


■目的:

 従来の長期にわたる大規模な都市計画は、成熟期、あるいは縮小の時期を迎える現代社会においては有効性を発揮しにくい。そのような社会においては、「小さなプロジェクト」から大きな流れをつくりだすトライアル・アンド・エラーの動的都市空間計画が有効であると考える(「アーバン・ダイナミクス」、山代悟+日高仁、『シュリンキング・ニッポン—縮小する都市の未来戦略』、大野秀敏+アバン・アソシエイツ、鹿島出版会、2008)。
 それには、「小さなプロジェクト」の実践を重ねると同時に、それをバックアップし、組織化する手法を確立していく必要がある。研究者自らが2006年度、2008年度に実践した事例に加えて、既に長い時間を経て小さな実践が大きな流れをつくった先駆的な事例を調査することで、小さなプロジェクトを大きな流れにつなげていく方法論・組織論の基礎的な知見を得ることが本研究の目的である。


■研究課題の学術的な特色、独創的な点、予想される結果及び学術的・社会的な意義:

 本研究では調査事例として、「シドニー・アーバン・アイランド・プロジェクト」(シドニー大学、2006年8月開催国際ワークショップ/「シドニー湾に浮かぶ廃墟の島を再生する」新建築2006年11月号、p.031、新建築社)、「City Switch2008出雲」(出雲建築フォーラム+CS2008実行委員会、2008年8月開催国際ワークショップ)など、研究者が企画・実践に深く関わったものを取り上げる。そのため、プロジェクトの企画者・参加者・行政・住民など多面的な立場からのヒアリング・記録などが可能となると考える。

 一方、先駆的な事例に関しては、パリで毎年10月初旬に行われる「La nuit blanche(白夜)」と呼ばれるパリ市内の多地点で実施されるイベントを主たる対象とする予定である(対象イベントについては情報収集を続け、より効果的なイベントを選定する)。それらイベントの発端から経緯、実践までの全体を通して記述したいと考えている(その後、調査対象をベルリン、シドニー、メルボルンに変更)。

 このようなボトムアップのまちづくりの実践の必要性は高まっているが、そのような現象をドキュメンテーションした研究は少ないと思われる。インフラストラクチャーとしての都市基盤の整備とともに、その場をうまく使うための技術の開発は都市空間リテラシーを深める重要な要素であり、本研究の結果は今後の計画・実践のための大きな成果・指針となると考える。


■GCOEと当該研究との関係:

 本研究は、都市空間のサスティナビリティを環境やエネルギーの観点だけでなく、コミュニティや文化の持続性としてとらえようとするところに特徴がある。

 小さなプロジェクトの群れを大きな流れにつなげていく方法論・組織論の基礎的な知見を得ることを目標としている。現存する都市空間の可能性を最大限に生かしながら展開されるイベントの方法論からは、最小限の物理的な介入によって都市社会を持続させていくための様々な技術が抽出されると考える。


■研究の計画・方法:

 研究代表者山代悟と共同研究者日高仁は、互いの都市空間に対する知見や、共同あるいは個別に参加したイベントの人的ネットワークを利用しながら、調査・記録・考察を行う。

<海外の先駆的な事例に関する取材調査>
 研究代表者と共同研究者で対象都市を訪問し、イベントを通時的・空間的に記録・記述するとともに、イベント自体の発端やこれまでの経緯・変遷、また運営体制などについて資料収集を行う。あわせて市民や行政、運営団体にヒアリングを行い、基礎的な情報を収集する。

<「CitySwitch2008出雲」に関する取材調査>
 研究代表者と共同研究者で島根県出雲市を訪問し、次のような企画者・参加者・行政・住民に対してヒアリングを行うとともに、当該プロジェクトの今後の展開の可能性・方向性についても議論や考察を行う。

・当該プロジェクトの主催である出雲建築フォーラムの龜谷清氏(米子高等工業専門学校非常勤講師)、江角俊則氏(島根県立大学短期大学部非常勤講師)、難波徹氏(島根県立大学短期大学部非常勤講師)ら、共催である島根県立古代出雲歴史博物館の専門学芸員
・全国12の大学・大学院等から集まったワークショップ参加者
・ワークショップの対象となった「神迎の道」(出雲市大社町)、「木綿街道」(出雲市平田町)、「サンロード中町」(出雲市今市町)の住民(期間中に行われたインスタレーションやディスカッションにも参加した)

<「シドニー・アーバン・アイランド・プロジェクト」に関する取材調査>
 研究代表者と共同研究者でシドニーを訪問し、次のような企画者・参加者・関係団体に対してヒアリングを行うとともに、当該プロジェクトの今後の展開の可能性・方向性についても議論や考察を行う。
・企画者であるトム・ヘネガン氏(シドニー大学教授)、ジョアン・ジャコビッチ氏(シドニー工科大学助教)ら
・参加者であるシドニー大学の学生
・ワークショップの対象であったコッカトー島を含むシドニー湾の7つのサイトの再生マスタープランを担当するシドニー・フェデレーション・ハーバー・トラスト